かっこいい匠たちvol.7
仕事で大切なことは『収まり感』
個人宅や業務用設備のキッチン・洗面所・お風呂など水回りの新築・リフォーム工事、給水・排水の水道、エアー、蒸気なども含む「管」と呼ばれる全般の設備工事を手掛けている。
“担当業務を通して他の仕事も自分のものにする”
前社では仲間3人で会社を設立し、主に現場管理や申請業務を担当していた。7年間前に独立。現在は現場工事を含めて一連の仕事を一括で受けている。「もともと外で動く仕事がしたい思いがあり、水道業者に入社しました。現場管理や現場監督、図面や写真撮り、役所の申請などをしながら仕事を覚えました。現場管理は、建物を造る工程や工事内容がわからないとできない仕事。いろいろな工事に携わることで、お客さんの要望や現場の状況に合わせた仕事がわかるようになりました。仕事ができる下請けさんと一緒に働いたときに、実際の現場作業を習ったりもしました。今はその経験が非常に活きていると思います。」
“現場が楽しい”
「現場はとても楽しいです。他の職人さんと一緒に仕事するのが楽しい。その後仕事を依頼したり、依頼がきたり。大工さんや工務店さんとのつながりも大事で、横のつながりで楽しさが増しています。ほとんど休みはとっていませんが、自分でペースを調整してやっているので苦にはなりません。個人で仕事をしているとそんなものです。」と笑顔で語る。
“「何事も何とかなる」と思えたときが成長したとき”
「一番成長したのは20代前半のとき。行政機関の建物の空調を含む大きな総合設備の仕事を任せられました。特に空調関係はわからないことばかりで、技術的なことは自分で調べたり、人に聞いたり、ともかく自分で動くしかありませんでした。しかも1ヶ月の短納期。朝から夜中まで、徹夜で家に帰れないときも度々ありました。しかし、辞めたいとは一度も思わず、何とか完成させたい気持ちでいっぱいでした。後から聞いた話ですが、見かねた先輩が社長に助っ人をつけることをお願いしたら、社長は『音をあげるまでやらせてみろ』と、自分を育てるという気持ちで任せてくれていたようです。今では、超ブラックの会社と言われてしまうかもしれませんが。その後は、『何事も何とかなるや』と思えるようになりました。」大変な仕事を乗り越えた経験が、やればできるという自信につながっている。
“大切にしていることは『収まり感』”
「現場で家を見たときに、中まで見なくても水回りや配管の状況はわかります。お客さんの要望に応じて、材料や工事内容をすぐ判断・提案できることは、水道屋・専門職として非常に大事なことと思います。最初から最後まで一括対応するので、お客さんや取引先からは、一緒に仕事をして非常に楽だ、と言われることが多いです。またお客さんの人柄も見ながら要望以上のことを提案できることも良い点だと思います。例えば、家をきれいにしているお客さんなら、洗面台設置だけでなく、横の壁に汚れ防止パネルの追加提案をしたこともあります。きれいに仕事をしてくれたと喜んでいた頂くことが嬉しいですし、仕事の『収まり感』はとても大事だと思います。」水回りは、素人ではわからないことがたくさんある。要望だけでなく、人柄や好みを見抜いて、自分のために提案してくれる。更に技術はきちんと、見た目もきれいに仕事をしてくれる。顧客にとっても嬉しいことだろう。
“支えることで支えられる”
伊藤さんは5人の子どものお父さん。子どもたちはみなバスケの名選手。「子どもたちにやりたいことをやらせてあげることが、仕事のやりがいにもなっています。子どもたちとバスケの話や、他愛もない話をしたり、一緒にいる何気ない時間がほっとします。子どものバスケの試合を兼ねて、旅行するのも楽しみになっています。広島や沖縄にも行きました。普段はあまり県外にも出ませんが、きっかけがあると重い腰もあがります。先日は群馬でバスケの試合があり、ついでに温泉も行ってきました。」ご自身のベースは家族。自分が家族の支えであり、家族が自分の支えでもある。「仕事も順調に増えてきたので、今後は仲間を増やしながらやってみたいとも思っています。」と今後の展望も笑顔で語っていた。
《スタッフの一言》
人の生活で「水」は欠かせないもの。プロの技術で安心した暮らしができ、更に見た目もきれいに仕上げてくれることで心地良い暮らしになる。「収まり感」・・・大事ですね。親切で優しい人柄が伝わってくる方でした。