かっこいい匠たちvol.6
前向きな進化で仕事をつくる
1
業務用・家庭用空調機器(エアコン)設置、住宅や企業の電気工事、LED配線を主に行っている。静岡県内に限らず、依頼によっては全国、先日は北海道、東北、関東地方のLEDのみ仕事も対応してきた。
“実務での応用と経験を重ねながら技術を築く”
21年前に電気関係の会社に入り3年後に独立。「初めは技術を覚えることで必死でした。電気屋は専門職。配線をひとつ間違えれば火事や事故につながってしまいます。免許・資格が必要な業種なのでもちろん勉強もしましたが、資格だけでできる仕事ではありません。現場によって配線は異なり、実務での応用を経験しながら学ぶしかありません。配線の仕方や技術の向上はほぼ独学でしたが、電気組合の仲間に教えてもらうこともありました。相談し合える仲間は、新しいことに挑戦している人たちでもありました。電気の仕事を21年やっていても、今だにできないこともたくさんありますが、仕事をしながらステップアップしてきたと思います。」実務経験の積み重ねで、電気の専門家としての技術を築いてきた。
“「量」から「質」へ、心を込めて仕事をするのが職人”
独立してからは、お客さんを見つけたり、何でもかんでも自分でやらなければならず、辛いこともありました。最初は仕事をもらうことに必死で、低い単価でも量で勝負、の自転車操業でした。数年前から元請けの形態に切り替えています。直接お客さんから仕事をもらうことで、一軒一軒に時間を費やせるようになりました。しっかり話すことによって、何に困っているか、求めているかがわかるようになり、お客さんからも相談してもらえるようにもなりました。エアコン1台設置すると、別の部屋のエアコンの希望も出てきたりします。エアコンは専門知識と技術が必要で、しっかり仕事をしているかどうかは業者にしかわからないことも多い仕事です。信用で成り立っている仕事とも言えます。だからこそ、心を込めて仕事をするのが職人なのだと思います。今では、お客さんとの信頼のつながりもでき、リピーターも多くなりました。」電気工事の内容はわからなくても、しっかり仕事をやってくれる職人さんはわかる。顧客との信頼関係が次の仕事につながっている。
“「質」重視の仕事が、お客さんの満足、社員の笑顔につながる”
「顧客満足のために仕事をするのは当たり前です。今は社員もいるので、お客さんのためにもなり、社員が活き活き働いていることも大切だと思っています。以前は残業も多く、週末も祝日も休みがない状態でしたが、今は休日も取れるようになりました。社員が笑顔で仕事をしてくれているとクレームが減りました。「質」を重視することで、会社の利益も出て、社員の時間外労働も減り、働きやすくもなっています。余談ですが、倉庫には社員のための休憩スペースも作り、健康器具も置いています。今は飾りになっていますが・・・。」
“世の中の変化、先を見ることで仕事も進化する”
「常に世の中、電気に関わる市場、技術も変化しています。電気の仕事はなくなることはありませんが、変化に対応していくことが重要と思っています。今まではエコキュート、LEDへのシフトもありました。今後は電気自動車、充電設備なども入ってくるでしょう。大手メーカーからも新しい仕事の打診を受けています。技術の進化に合わせて、自分たちも新しい技術を覚えて、進化していくことが大切と思っています。」
“充実した休みを取って夫婦円満に”
趣味はゴルフと旅行。奥様との旅行は国内・海外問わず出かけている。「海外は、韓国、台湾、香港、タイなどアジアはほとんど行きました。最近は国内旅行が多いですね。先日は飛騨牛を食べに飛騨に行ってきました。」長期休暇は難しいこともあるが、短期休みは取れるようになり、公私共に充実している。
《スタッフの一言》
スマートハウス、電気自動車、IoT、災害対策など製品・設備の進化は良く目にしますが、その進化を支えている職人さんがいることも忘れてはいけないと思いました。時代の変化、技術の進化に対応しながら、「質」の高い仕事を重視することで、顧客満足と活き活きした働き方を実現されています。良い前進スパイラル例ですね。